黒い雨 (金光威和雄)
題名(ヨミガナ)
正題
楽章の記載や派生作品などもこの項
部門はタグに記載
作者
作詩
タグにも記載
作曲
タグにも記載
曲データ
編成:、演奏時間:
管理番号:、音源:、楽譜:、著作権登録:
作曲年(発表年):
初演:
解説
出典・参考文献
黒い雨(1)
- FALSE 19970529 REC02018 2950 19890910 杉並公会堂 0 1 1 1
- クラシック(歌劇&声楽曲) 声楽曲(合唱) クロイアメ(1) 中村栄 日本 1930 金光威和雄 日本 1933 1989 指揮 下田正幸 ピアノ 市川敦子 コール・フロイント 自費制作 RCCーRー0013 スコア RCCーNー0049 混声合唱組曲「黒い雨」
1)緑の広島
2)昭和二十年八月六日
3)水をください
4)黒い雨
5)瓦礫の中を
6)荼毘の煙
7)放射能
8)鏡
9)夾竹桃
初演は「コール・フロイント」第16回定期演奏会にて。
委嘱作品。
CD寄贈金光威和雄1997年5月15日
第9曲「夾竹桃」については、(混声三部に作曲者自身が編曲した形で)別の演奏(指揮下田正幸、「コール・フロイント」)によりCD化されている。
→『チャレンジ!コンクール(混声)』(『ジョイフルコーラス(楽譜集とCD集による「新しい中学校合唱講座」』第10巻に収録、 1995年 Victor KCDK-1360)
カセットの形状でRCCにて保管(RCCーRー0013)
また、この曲のついては混声三部編で楽譜も出版されている(原曲の楽譜は未出版)
→音楽之友社『新版現代混声合唱名曲選2』
RCC所有(RCCーR-0050)
寄贈金光威和雄1997年5月15日
(作品の成立に関して)
作詞者、作曲家、そして合唱団「コール・フロイント」の主宰者で指揮者の下田正幸の三者が、1980年頃から新しく創る合唱(組)曲のテーマについて互いに構想を持ち寄って協議し合ってきた。三者共通の願望として、世界の平和に多少とも資する題材を選びたいという気持ちが強かった。その結果、
混声四部合唱組曲「わだつみの声(抄)」(1981年作曲、1982年初演)
混声四部合唱組曲「道遠く…中国に残された日本人たち」(1986年完成初演)
が生まれ、この延長上に創られたのが本作品である。この作品によって戦争関係の「三部作」が完成したことになる。
その他関連資料有り(楽譜と共にRCC保管)
(歌詞)
- 緑の広島
山陽の都
安芸の国の中心
山を背に
海に向かってひらける街ー広島
豊かに流れる太田川は
七つに分かれてデルタをつくり
自然を育み
千年の歴史と文化を 静かに運ぶ
街路樹の緑が風にそよぎ
学校の庭で遊ぶ子供たち
河原で語る恋人たち
広場で集う若者たち
公園で憩うお年寄り
のどかな 学校の庭で
河原で 広場で 公園で 起きた出来事は
もう 何年も
何年も前のことなのに
きのうのようにも思われる
[第2曲以下の歌詞は(2)以降に掲載]
中村栄
作家 詩人
金光威和雄
作曲家 武蔵野音楽大学助教授
黒い雨(2)
- FALSE 19970529 REC02124 2950 19890910 杉並公会堂 0 1 1 1
- クラシック(歌劇&声楽曲) 声楽曲(合唱) クロイアメ(2) 中村栄 日本 1930 金光威和雄 日本 1933 1989 指揮 下田正幸 ピアノ 市川敦子 コール・フロイント 自費制作 RCCーRー0013 スコア RCCーNー0046
(第2曲以下の歌詞)
- 昭和20年8月6日
夾竹桃が赤い花をつける 八月
あの日のことが 甦る
その日広島の空は
どこまでも青く 雲一つなかった
『空襲警報解除ー』
一息ついた人たちは
夏の日ざしの中で
つとめ始めていた
8時15分
!!
まわりの色が消え
空が燃え上がり
息がつまり 目がくらみ
大地が揺れ
すべてが
光と熱と
爆風と 爆発音に 呑み込まれ
吹っ飛び 叩きつけられ
広島は
大きなきのこ雲の下で
火の海となって
3.水をください
はだかの
血だらけの
乱れた髪の
焼けてただれた体の皮を ひきずり
声にならない声で
「水ちょうだいねぇ」「水つかあさい…」
うつろな目で 力なく うめく
「助けてやぁ」
生きたまんまの 幽霊
生きながらの 地獄の姿
人間の格好をした人はいなかった
…その人たちの上に
雨が降った
4.黒い雨
雨は黒かった
(分厚く)たれこめた雲の中から
大粒のどす黒い雨が
ぼたぼたべたべた降りはじめ
ざあざあ降り続き
やがて色を落とし
普通の雨になって やんだ
それが滅びの雨とは
知らなかった
5.瓦礫の中を
母親は
首のない乳飲み子を胸に抱き
背中におぶった子供が
死んだいるのに気がつかず
よろよろ
瓦礫の中を歩き続ける
どこへ
どこまで
瓦礫の中を
よろよろ よろよろ…
6.荼毘の煙
いくどか
朝がきて 日が暮れて
戦争(いくさ)は終わった
あの日から
どれだけ たったのか…
夜が明けて 朝が来るたびに
いくつもの
いくつもの 亡骸が
次から次へ
転がされ 引きずられ 運ばれ
学校の庭に
河原に広場に
公園に 積み上げられ 重ねられ
次から次へ 荼毘にふされ
灰と煙と臭いが 街を包んだ
7.放射能
ピカを浴び
黒い雨にうたれた人は
女も男も
大人も子供も
けががなくても 熱を出し
胸がむかつき
おなかをくだし
力が出なくなり
髪が抜け落ち
歯ぐきから血を出し
言葉もなく
苦しみ悶え
やがて息を引き取っていく
目には見えぬなにかが
休みなく体を蝕む
じりじり休みなく
刻々いのちを
蝕んでいく
消すことのできない 不安 心配 恐ろしさ
口に出せない 悲しみ 憎しみ 恨み
じっと 耐えるしかないのですか
[8、9の歌詞は(3)に掲載]
金光威和雄
作曲家 武蔵野音楽大学助教授
黒い雨(3) FALSE 19970529 REC02130 2950 19890910 杉並公会堂 0 1 1 1 クラシック(歌劇&声楽曲) 声楽曲(合唱) クロイアメ(3) 中村栄 日本 1930 金光威和雄 日本 1933 1989 指揮 下田正幸 ピアノ 市川敦子 コール・フロイント 自費制作 RCC-R-0013 スコア RCC-Nー0049
8.鏡
おかあさん
ここはどこですか
おうちはどうなりましたか
おとうさんは
おにいちゃんは
どこにいますか
どこへ行ってしまったのですか
おかあさん
わたしに顔はありますか
鏡を見せてください
9.夾竹桃
夾竹桃の紅が
空の青に映え 揺れている
心にしみる 八月のヒロシマ
想いを残して
死んでいった人の
深い憂いと やるせなさ
悲しい眼差しが
揺れている
夾竹桃の紅が
空の青に映え
夏の心に しみ透っていく
中村栄
作家 詩人
金光威和雄
作曲家 武蔵野音楽大学助教授

コメント